梅毒の拡大を防ぐ、早期検査と予防方法

梅毒は梅毒トレポネーマという病原菌に感染することが原因で様々な症状を起こすようになり、放置してしまうと重篤な症状になりかねません。
低酸素状態でしか長く生きられない特徴がありますが、性行為によって感染しやすく20代の女性や20代30代の男性に多くなっている性病です。

感染した当初は目立った症状がないため発見が遅れがちですが、3週間過ぎたあたりから性器や肛門、口など感染した部位に3mmから3cm程度のできものが出るようになります。
1か月ほどでできものが消えてしまうため治療を受けない人が多いですが、梅毒がなくなったわけではなく次の状態に進行していってしまいます。

3か月経過したころになると手のひらや足の裏、体にバラ疹とよばれる発疹が現れますが、これも半年程度で消えますが感染した状態は続いていて注意が必要です。
この時期あたりまでに治療を受けておかないと全身に影響が出るようになり、3年経ってしまうと炎症が至る所におきて、10年が経過すると脳や心臓に病変が起きるようになってしまいます。

重篤な症状に至る前に早期検査をすることが大事で、感染したと思われる日から1か月経てば検査を行えるようになるので、すぐに検査が可能な医療機関に行きましょう。
検査は採血によって行われ、15分でわかるクイックテストがありますが、正確に調べるためには2日程度結果が出るまでかかるTP法とRPR法によって梅毒に対する抗体価を数値として検出する方法などで判断が行えます。

梅毒は一度治っても性行為などによって再感染する可能性があり、予防方法として大切なことは不特定多数の人と性的な関係を持たないようにすることが大事です。
コンドームを使うことは当然ですが、コンドームに覆われていない部分の接触でうつる可能性はありますから、皮膚や粘膜にしこりやただれなどがある場合は性行為を控えるようにしましょう。
パートナーと検査を受けて陰性であることがわかるまで、性行為やキスも行わないようにすれば予防になります。

アンピシリンの働きと効果について

アンピシリンは、細菌が細胞壁を作るために必要なペプチド転移酵素が合成されることを抑える働きがあるため、増殖することができずに溶けたように消滅していきます。
梅毒トレポネーマに対してアンピシリンを使った治療を行うときは、日本では経口摂取しか認められていないため治療薬は内服薬が処方されます。

通常は4週間以上の内服が必要で、治療薬の効果で一度に大量の梅毒トレポネーマが死滅すると発熱があったり頭痛やリンパ節の腫大が起きたりすることがありますが、安静にしていれば次第に回復するでしょう。

アモキシシリンもアンピシリンと同じような構造の治療薬ですが、腸からの消化吸収がアモキシシリンの方がよいという特徴があり、経口摂取で梅毒の原因である梅毒トレポネーマに対する効果が期待できます。
アモキシシリンは単体で摂取すると微生物による分解が進んでしまうことがあるため、分解阻害剤と併用する場合があります。

梅毒によりできものやバラ疹がある部位や、皮膚がダメージを受けている部分からほかの細菌にも感染しやすい状態が続く病気です。
アンピシリンやアモキシシリンはほかの病原菌にも効果を発揮するため、同時に治療を行っていくことが可能ですが、もともと耐性が高い菌もいるので効かない場合は別の治療方法と併用するなどの対応が必要になるでしょう。

4週間以上の内服が終わったときに、治療薬の効果が出ているか再検査して陰性になるかを調べますが、たまに病原菌が増加することがあって、再感染か服用期間が短かったことが原因であるため再治療が必要です。
通常は抗体が低下するまで検診や検査が定期的に行われ、治療を続けていくことになります。
梅毒に感染しているとHIVにも感染しやすくなってしまいますから、処方された治療薬を勝手に途中でやめてしまうことがないようにしましょう。